(17)抵抗

未来を予想する一番の方法は、自ら創造することだ、

という言葉がある。

あるひとがこの言葉を気に入っていて、わたしは直接知っているわけではないが、

それでもいい言葉だと思う。

学習性無力感の反対、自己効力感を支えるマインドセットだと思う。

 

ただし、どんなものでもバランスが大事で、

よいものでもやりすぎると害が出てくることがある。

複雑なのは、誰かにとっての害が、別の誰かにとっては益となることだ。

 

創造、という言葉にどれだけの意味を担わせるかは、

数年来悶々としているテーマだ。

いまだに、この言葉とのうまい距離を見つけることができていない。

 

気になっているのは、未来というものは、まったくの白紙ではなく、

どんな未来でも、過去を生きた人がおり、過去の積み重ねがある。

歴史が苦手なわたしにだって、それくらいわかる。

そのとき初めて出会った人と関わるとき、

その人がこれまでに歩んだ人生のことを想像する必要がある場合がある。

 

しかし、普遍の物理法則が新たに発見されるように、

過去の歴史もまた、新たに発見されたり、修正されたりする。

 

なにか価値のあることをやっている人たちは、

その価値を台無しにしようとする力に対し、抵抗しなければならない。

生存しようとする人が、自分を殺そうとする人から抵抗するように。

人が怒るのも、つまるところそういう、自分の大切なものが脅かされるときなのかもしれない。

 

大切なものは、目に見えないこともある。

それが大切なのだと、わかりにくいこともある。

失って初めて気づくこともある。とりかえしのつかないこともある。

 

いろいろなことがつながって、浮遊している。