(21)散歩
最近、朝6時くらいに起きることが多い。
洗濯機が動いたり動かなかったりするので(主に動かない)、
近所の公園脇にある、コインランドリーに通っている。
家にいて、どこか遠くで聴こえていたラジオ体操は、
近所の公園でやっていた。
おじいさんの脇を通りぬけ、かごいっぱいの洗濯ものを
丸い蓋の金属の箱に放り込んでいく。
わたしは機械の好き嫌いが激しいが、この機械はかっこよくて好きだ。
乾燥まで終えて取り込んだ服のぬくもりを抱え、
まだらに湿り気の残る服をハンガーに通してもうすこし干す。
出勤前に寄り道をするため、いつもと違う駅で降りる。
スケアクロウの真似事。
あちらとこちらが立たない、バッティングしてしまった状況に挟まれて、
どうしたもんかとぼんやりしているうちに、
どちらもそれなりにあたためられる方法を見つけ、ひそかにほくそ笑む。
自分の見えるところにあれば、大抵はそうやってなんとかなるが、
あるところから先にいくと、まったくあるいはほとんど見えなくなってしまう。
無知にアクセスするには、いくつかの前提があるようだ。