(32)新刊が待ち遠しい
物語のもつ力動のひとつに、「続きが気になる」というものがある。
そして、連載ものは、あるところで途切れていて、続きを待たなければならない。
しかも、続きが出るまですごく長い時間がかかったり、出なかったりするかもしれない。
BEASTARSという、たぶんちょっと前から流行りだした漫画に、ちょっと遅れたタイミングで数カ月前にはまりだし、こないだ出た新刊をさっそく電子書籍で買った。
そのとき思い出したのが、ダブルブリッドの最終巻に出会ったときのこと。
中高時代、神坂一のスレイヤーズ、上遠野浩平のブギーポップ、西尾維新のクビキリサイクルなど、いくつかの作家を軸にライトノベルにはまっていた中、強いて一番好きなものを挙げるとなると、このダブルブリッド・シリーズになる。
最終巻の10巻と、番外編が出ているが、最後の数巻が出るまでが本当に長かった。本編は雑誌に連載もされておらず、完全に書き下ろしなので、全く読めない。毎月本屋に張り出される電撃文庫の新刊をチェックし、続刊が載ってないか探したものだ。
ダブルブリッドの最終巻を買ったとき、なんだかすごく脱力して、「生きててよかった」と思ったのを覚えている。
しょうもないことだけど、「~~を観るまでは死ねない」というモチベーション、大切なものだ。