(129)暮らしと社会と睡眠障害

スーパーで買う油揚げときつねうどんに乗っている油揚げのギャップに初めて意識を向け、醤油に加えておそらく初めて調理で砂糖とみりんを使って味付けをしてみたら、なんだか酸っぱいものができた。みりんだと思ったものは酢だった。酢を使うのも初めてだった。
重曹というもののことは聞いたことがあったが、セスキ酸ソーダというものの存在は初めて知った。ドラッグストアで売ってるのも知らなかったが、クエン酸と3点セットで売られていた。100円ショップでスプレーボトルを買って詰めようとしたら、おひとり様1点までだったので、まずはセスキ酸ソーダだけ水に溶いたものを作ってみた。鼻血が洋服を汚す日に備えている。
木製テーブルについた油性マジックは、メラミンスポンジで落ちるらしい。本当かな。

 

緊急事態宣言が解除され、そんなころにマスクや10万円の書類が届く。密集しないように気をつけながら幼稚園が始まり、公園では遊具使用禁止の張り紙がなくなり、子どもたちはブランコに列をなす。外食はできなくても、お茶くらいならいいと思える。新しい生活様式
職場ではテレワークが過去のものになろうとしている。現状を見据えつつも、ちょっと切り離して、あったらいい未来について大人同士で話す。数字はあてにならないし、認識共有はできていない。自分の仕事と地続きの現場にいる人と、出身校つながりで出会い、オンラインで話す。自分とはスタンスの少し異なる友人が政治について考える会を立ち上げたので、面白がってオンラインで話す。鋭い視点をもつ後輩がオンラインネットワークを立ち上げようとしているので、面白がってオンラインで話す。ポストコロナの演劇について知り合いが喋っていた。世界では人種差別のことが話題になっているし、それは別に今に始まったことではない。

 

よふかしはしたくない。黄金のような楽しい夜の時間を忘れたわけじゃない。でも、どうしても大切にしたいものを置いてあとをそぎ落としていくと、残るものは明確だ。相手が大切にしたいものもなんとなくわかるけど、自分のそれと衝突するとき、乗っかるか引っ込むか。
私は何度でも失敗しているが、いま、ありったけの心を注いで、そのつなわたりの接触に臨んでいる。思ったほど余裕はないんだ。それは、私が身ひとつだというのもあるんだけど、ベクトルが残るものとかぶっているから、衝突しやすい。相手には申し訳なく思う。この歳になっても、ちっともうまく伝えられない。
今は眠れなくて起きてしまっている。いや、さっきまで寝ていたのだ。変な時間に眠くなって、変な時間に目が覚める。