(250)戦力とつながり

仕事の関係でオンラインセミナーを受講した。主催のJAFCOという団体は、たぶんいつもはあまり障害者雇用を中心に取り扱っているわけではないのだと思われるが、とても時宜に合った内容のセミナーで、登壇者のラインナップも、すごくバリエーションに富んでいて、非常に面白かった。「障害者の経済学」の著者の中島さんは、障害者雇用が配慮コストを超える付加価値を生み出すために、間接部門から企業の本業部分への割り当てを増やしていくべき、行政は雇用行政と福祉行政の縦割りを解消しつつ、障害者の多様な働き方を阻害しないような制度設計をすべきとの主張をしていた。2番手の精神科医の山下さんは、精神障害者発達障害者の就労面での困難性や雇用上の配慮について、具体的でわかりやすい解説をしていた。3番手で、ウェブサイト「障害者雇用ドットコム」代表の松井さんは、社内で障害者雇用の理解促進のために、経営層と現場社員で異なるアプローチを使い分ける方法や、実習や求人票作成に先立って必要な業務切り出しの具体的な着眼点を説明していた。最後はエスプールプラスと同様の貸し農園ビジネス「コルディアーレ農園」を長崎五島をはじめとして展開している株式会社JSHの矢野さんがインタビューアーとなり、実際にこのサービスを利用しているクライエント企業であるニプロ株式会社の石本さんから、自社業務の障害者雇用への割り当ての困難さと、貸し農園サービスを利用しての感想などが語られた。それぞれの登壇者の主張することは、ある意味矛盾するような内容も含まれており、そういった多様性をどうとらえるか、どう関わっていくかということがポイントではないかなと思った。

話は変わって、オンライン市役所というFacebookグループに参加したことを前に書いた。ここでは、国家公務員や地方公務員が参加者となって、様々な活動を行うサブコミュニティ「課」が作成されている。この日は50以上もある「課」の課長さんが1分ずつ、課の活動内容の紹介ピッチをするという催しで、自分のような、どんな課があるのかわからない人間にとってはとってもありがたいものだった。興味のある課はいくつもいくつも見つかったけれど、あまり同時に沢山の課に入っても、人も覚えられないしリソースを投下できない気がしたので、無理せず2つの課に入ることにした。人間関係と学びを丁寧に育てていきたい。