(298)概念を、言葉を扱うお仕事です

口頭では何度となく表現されているけど、書き言葉になっていないような考え方・概念ってけっこうある。頭の中で考えていること、話し言葉、書き言葉。実際にはもっと細かい区分があるんだろうけど、概念や言葉の表現形は、その種類ごとに、重なりつつも異なる守備範囲があるように思う。私が最近やっていたのは、その、話し言葉レベルの概念を、書き言葉にしようとすることだったのではないかと思う。書き言葉にすると、細かい文言に気を遣う。ニュアンスが変わってしまったり、ぎらついてしまったりする。安全を取ると、書ききれないこともある。だけどその代わり、話し言葉よりも多くの、遠くの人に伝えることができる。自分の中で案ができたのがたぶん2週間くらい前で、それを周りの人と擦り合わせていく過程でゴツゴツしたものが取れていく心地よさと、大切にしたいことから離れてしまいそうな心許なさが湧いてくる。文書が完成しても、それもまた途中。受け取った人たちに伝わって、その人たちがまた伝えて、考え方や行動が変わって、そして世の中がちょっとだけでもよい方向に変わる。時間差で、同時多発的に変わる。その過程で、よくないものもどっさり生まれるけど、でも総合的に見たらやってよかったと言えて、よくないものにも順次手当てをしていく。そういうことがしたいのだ。そういうことをするべきはずなのだ。