(306)夏の引き延ばされた時間

ワクチン接種予約は自治体の予約サイトが一瞬で埋まってしまって目処が立っていない。
ワクチン接種を予約するには、どうやらいろいろなルートがあって、自衛隊なんとかセンターは誰でも予約できるとか、職域接種の余りを開放しているとか、そういった情報にアンテナを立てて、アクセス制限にも負けずに予約を完了させる。そこに行けずにうろうろしている私のような人間はけっこういるんだろう。携帯電話のプラン見直しのためにショップに行ったら、ワクチン接種の予約をサポートする案内が出ていて、すごくおもしろいなと思った。満たしたいニーズが満たされていないところに、サービスやビジネスの可能性がある。
仕事だったらもうちょっと動けると思うのだが、自分のことだとめちゃめちゃ腰が重いというか、頭が回らなくなるのを感じる。外面いいけど内弁慶みたいな、人間て同じ機能使っているようで、奇麗に守備範囲が切り分けられているみたいなやつ、あるのではと思っている。

夏らしく、子と水遊びに出かけた。感染対策はひととおりしているが、これも不謹慎なんだろうか、よくわからない。もうすこし不謹慎なこともしている自覚はある。大人からすると一番地味に見えるアトラクションが、蓋を開くと一番気に入るようなことはままある。自分とは違う生き物が瞬間瞬間で何を考えているか、何にときめいているかに意識を向けながら、自分は自分でその時間を楽しむ。相手がときめいたものを一緒に楽しみ、相手がざわついたときに何か行動ができること、ただそれだけをできるようになりたい。ぜんぜんできやしないが。

★★★

社会のことが気になっていたら、社会学の説を概観できる本に出会った。
社会学用語図鑑 ―人物と用語でたどる社会学の全体像
これまで、偶然の出会いでオルテガルーマンの仕事に触れたことはあったのだけど、ひとつ上の階層から、近現代の200年間に、過去の有識者が時の社会をどのように捉えようとしてきたのかを垣間見る。気になるものはぜひ個別の内容を掘り下げてみたい。ちょっと気になったのは、社会学の祖であるコントが、社会科学・実証主義社会学のベースに置いたとあるが、本当にこの本に出てくる主張って、エビデンスに基づいているんだろうか?哲学とは違う方法論を獲得できたのだろうか。という、方法論のことも気になっている。

一方で、現在の社会のことを読み解くときに、Twitterでフォローしている白饅頭さんの文章が気になって、著書を買ってみた。noteはまだ購読してないが、これを見て判断したいと思っている。ネット上で行われる主張・非難・擁護に食傷している中で、個々の話題に振り回されるのではなく、一歩引いて「なにが起きているのか」を探る手助けになるのではと思っている。著者が言っていることを鵜呑みにはしないように気をつけたいが、とっかかりとしてはとてもとっつきやすいのではないかと思っている。
矛盾社会序説 その「自由」が世界を縛る

学びだけでキャパ以上に手を拡げてしまっている感もあるが、テーマは割と近いところにあると思うので、それぞれを結びつけて、伸び縮みしながら、ちょうどいいところを探してみよう。

★★★

うちの会社は全国に支店のようなものがあって、ここ最近は全国の半分くらいの支店の担当者の方から、地域の状況や取組をオンラインで聞くということをしていた。1日3本もやると、その日はほとんど他にできることはない。全体的な傾向として、「現場はこうなっているんだ」ということのほか、単に相対的な位置に限らない、個々の支店の特徴が浮かび上がってくる。担当者の方も、メールでやりとりするだけでなく、顔を見たり声を聞いたりすると、自分の中で存在感が具体的になる。「顔が見える」ということ。これをやりっぱなしにしないことを、すごくがんばりたいと思っている。あまり時間をあけてはいけない。タイムリミットは今月中。