(312)秋のぎくしゃく

雨の日が数日続いて、すっかり秋の肌寒さが1日の大半を占めるようになった。季節には春夏秋冬とか、二十四節気とかいう区分があるけど、ある季節から次の季節にはデジタルに変わる、昨日まで夏休みだったけど今日から新学期みたいなものだと思っていた。今は、季節の変わり目は夜ふかしした日とか、ふとした瞬間に次の季節が顔を出したと思ったら、引っ込んで。顔を出す時間が長くなって、あれ季節変わったかなと思ったらまた戻って。そうしていつの間にか主従が逆転して、前の季節の余韻が溶けていく。そのトランジットがおもしろい。植物とか、自然にもっと感度があると、きっとたくさんのことを見つけられるのだろう。

★★★
ゴッドハンドと呼ばれる整体に初めて行ってみた。所在地のビルには、ご飯を食べに入ったことがあったけど、山ほどマッサージやら整体やらのお店が入っていて、これ前情報なしで選ぶとしたら大変だなと思った。施術は思ったよりあっさり終わり、近いうちにまた様子を見てもらうことになった。自分の身体がどう変わるか、自分でも気にして見てみよう。
一方で、近所の整体はよくなかった。何度も訴えていることに、同じような対応を繰り返すばかり。謎の道具を使い出して怖いし、なんの説明もないし、痛いし、力を抜けと言われても怖いから緊張するし、ほぼ最悪に近かった。回数券を消化するまでは通おうと思ったら、前回で切れていると言われ、なら今回来なくてよかったなとダメ押しでがっかりする。

身体面に加えて、精神面についてもお金を払って整える作業をしている。なかなか深まらなかったのが、半年弱にしてようやく少し動き始めた感じ。それを、私が余計なものを放り込むから効率が悪くなるのだ的な帰属をされて(私の解釈なので、そういう意図でないかもしれない)、そのときはちょっとムッとしたが、それだけじゃないにしろ、それが影響していない訳がないんだ。そして、それだけじゃないものよりも、それの方が、私が一生付き合っていかなきゃいけないものなので、より焦点を当てるべきものなのだ。そんな当たり前のことでも、心理的斥力がいつの間にか意識の所在を逸らす。

★★★

上下関係というドラマが、LINEだかInstagramで週1回、配信されている。窪塚洋介が主演している、ミステリーだかサスペンス。なんというか、圧倒的に華がある。作品には多くの人が関わっているだろうから、彼を魅せるのが上手い人もいるんだろう。
ウェブ漫画の台詞で、目に止まったものがあった。
誰かを好きになることは、コレクションを集めることに似ていると思います。
色んな感情、色んな姿を、思い出というアルバムに収めていく。

★★★

インクルージョンの勉強会で話したことをきっかけに、2~3人くらいの方から少し長いメッセージをいただく。顔と名前は知っているが、普段どのようなことをしているかとか、どのようなことに関心があるのかまでは知らないような間柄。その縁で、「日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション」の読書会に顔を出してみたら、雰囲気がよかった。このほんわかしたものは、それ自身を学びというには少し物足りないんだけど、なにか知りたいという好奇心の源泉になったり、それが本を読むモチベーションになったりと、学びに間接的に寄与するものな気がしている。
オンライン開催された「職業リハビリテーション学会」は、ちょっと覗いたものがいまいちで、大量のコンテンツの中から取り入れたいと思うものをどうやって見つけようかと思っている。おもしろいものやおもしろい人、いると思うんだけどな。
だんだんと、自分が学びたいものの解像度が上がってきておもしろい。1つのキーワードは家事、それから他人や社会との関わり方だ。物理的には圧倒的な時間を仕事に使っているのだけど、ここのバランスが悪いんだよな。ひとつの時間が、形式的には仕事のために使っているようでも、それが実はほかのテーマにも貢献しているような、そういうものを作っていけるとよいなと思っている。
★★★

「Gravity」というSNSで、1対1や複数人数での音声通話がすごく拡充されてて驚いた。クラブハウスとか、こんな感じだったのかな。もうすこし取っかかりのあるスレッドが見つかったら、参加したいきもちはある。他人に認めてもらいたい欲求は自覚できていなくても、他人と交流したい欲求はある。ただ、交流できればなんでもいい訳ではなくて、自分にとって心地よい/心地悪いものは確実にある。それを知っていくのも自己理解だ。