しんり道

ある学問分野を定義したり、ほかの学問分野と区別するための切り口は、おそらく何種類かあって、現実にはそれらがブレンドされて分布している。それは扱う対象だったり、方法論だったりするが、方法論には、その背景となる世界観などの関心がある。その、関心と方法論のつながりという文脈は尊重すべきものである一方、もともとの関心を離れて、あるいはもともとの関心を拡張する形で、ある方法論が他分野や学際的な研究分野に放り込まれることもある。

わたしが学んできた心理学という学問分野にも、よしあしは別として方法論があるし、その背景となる関心があったはずだ。しかし一方で実践家としては、問題解決に役に立つならば、たとえそれがどんな方法論に基づくもので、どんな学問分野に位置づけられるのかについては、あまり関心がない、こだわりをもたないこともありふれているように思う。

このように、世の中には、かくもさまざまな関心が溢れていて、その総量や、偏り方もさまざまなのだ。

院の同期と久しぶりに会って、カウンセラー、あるいは心理士として働いているかれらの話を聞いて、なんだか、なんだか、もやもやとしたものが膨れている。