(408)春の唄

朝、春用のコートも羽織らずに外に出たとき、寒いと感じなかった。
ここ最近は、日中はだいぶあったかくなってきたけど、それでも朝晩はまだ冷える感じが残っていて、でもそれのなさを感じて、またひとつ季節が進んだことを感じた。
ぴりっとする寒さの代わりに、やわらかくてわずかに湿気を含んだ空気が風になって町中を撫でていく。

あっという間のお通夜・告別式からの初七日に間髪入れず、引っ越しをしていた。
ポンコツは続いていて、新居の鍵を1週間で10回は無くしかけたんじゃなかろうかという具合だが、なんとかひととおりの生活必需品を揃え、仕事で着る服も買い足した。服を買うのはいつぶりだろう。

新生活のために覚えなければならないことがたくさんあり、
そして近くで暮らすひとたちや新しい機会での学びなど、覚えたいことや考えたいことがやまほどある。
おもしろいことは、すごい人たちが関わっていても、はじめから100%の形で実現するわけじゃない。さまざまなことが水を差してくるし、逆に予想外のものが輝きを増すこともある。