記念碑

川口典成が演出する芝居を見に行った。
http://themonument14.webnode.jp/

シンプルな戯曲。戦争の話。母親の話。埋もれたものを掘り返し、忘れないようにする、話。
そのための儀式。
演劇。
供養。

式。

生きている以上、忘れることからは逃れられない。
覚えていても、冷凍庫のように変わらぬままでは(大抵の場合)なく、知らぬ間に、日に日に、記憶は変質していく。
その忘れると、覚えると、思い出すを、どうアレンジしながら生きていくか。

男と女。暴力、人を殺すということ。
舞台の上は、日常とルールが違うのだ、という文句を思い出した。

そんなことはない(ある)。
わたしが舞台の上でやりたかったことは。

今ここ、日本で、この演目をやること。
わたしが、この作品と出会ったことの意味。


エネルギーの、高さについて、考える。
演劇のような、高エネルギーのもの。

0と1に乗っかるようなもの。
圧縮されたもの。

作り手からもらうエネルギーと、受け手の想像力で起動するエネルギーと。

専門家による個別相談、集団を対象としたセミナー、個人への情報提供や自己診断ツールの活用。

話は少し混じる。

ゲシュタルトの糸は、異なる分野を縫い合わせていく。


観劇後に、珍しく、最近お世話になった方とお茶を御一緒して、ベジタリアンの食生活とか、多様な働き方はエリートにしか開かれてないんじゃないかとか、女性の活躍における力技の位置づけとか、の話を聞いていて、その場では殆ど発言しなかったのだけど、彼らは動物と植物の間あたりにあるであろう境目をどのように引かれているのだろうとか、必要なものは制度と風土とあのひとは言っていたよなとか、日々食べるパンの数だけ私たちはお墓を建てることはできないよなとか、そんなことを思いながら家路についた。