「生きるように働く」を読んだ

「日本仕事百科」ナカムラケンタさんのこれまでの仕事、その根っこにある価値観や考え方、そして彼がこれまで出会ってきた人たちの語りを通じて、生き生きと働くこと、人が生き生きとする場所をつくることについて、考えを深めるガイドとなる本。

「自分の時間を生きる」(ように働く)とは何か。
と、ナカムラさんは考える。

自分の時間を生きている人はまるで成長した木のようで、種に水やり、発芽し、枝を伸ばして今に至り、これからも育っていく。
それを言い換えるなら、様々な生き方をしている人たちと出会い、その中で自分のやりたいことが見つかったならまずはやってみて、その時々に生じるさまざまに向き合いながら調整していくことなんじゃないか。

ナカムラさんの場合、「いい場所をつくりたい」というのが種だった。
いい場所とは何か、と考えていると、それは人がつくることに気づいた。そして、人が自分に「ぴったり」の場所を見つけられるような、求人サイトを作った。
話し手、読み手、書き手の視点を行き来することを大切にしながら文章を書き、競争になりにくいやり方を見つける。
インターネットだけでは足りないものを探して、オフィスに併設したバーをつくり、いろいろな生き方・働き方をしている人と直接話せる機会を作った。

そんな、ナカムラさんのこれまでの歩みが順に語られる合間合間に、20人を越える人たちのインタビューが挟まれる。
何十年も空き家だった古民家を修復して宿にした「群言堂」松場さんの、今まで流れてきた時間とつながるはなし。
眠っている不動産の活用案を集中的に考える「リノベーションスクール」を運営する嶋田さんの、社会が変わると建築家の役割も変わっていくはなし。
「MIRU DESIGN」代表の青木さんが放置自転車を解決するためにつくった、押しつけがましくなく、ポジティブな意識が伝わっていくしくみのはなし。

人と出会うのがへたくそなわたしは、愛宕リトルトーキョーで出会い損ね、それでもきっと出会いたくて、この本を手に取り、読み、そしてブログを書いてみた。

→少し続く

公認心理師試験(#07)

#01#02#03#04#05#06のつづき。

試験問題に対する考え方をネット上に書くのは、間違っていた場合に恥を掻くかもしれない。公認心理師の資格を取得した後だったら、もしかすると信用失墜行為に当たるかもしれない。

10/6追記。(前後半77問ずつなのを、なぜか74問だと勘違いしていた)

●ふりかえり #07

問061 【事例】発達障害(教育)
聞き取り内容からは、チック、SLDの表れかもしれない症状は見られる。「話題が合わない」は、ASDの表れの可能性もあるが、(1)がリファー、を提案しているが、(1)は緊急で医療的介入が必要ならともかく、発達障害の可能性もあるなら検査くらいはしてからリファーするのではないか。(2)(4)(5)は介入を提案しているが、まだ早いのではないか。(3)はアセスメントを提案しており、適切に思えるが、発達障害の重複は言い過ぎかもしれない。
→(3)ではないか。(◯)

問062 【事例】ストレス(産業)
産業領域だが、仕事の問題よりは、家庭の問題がストレスとなり、抑うつ症状が出ている様子。サポートも不足してる感じ。(1)(5)抑うつ症状は出ているが、最近何かがあったわけでもなく、勤務が不可能、生命が危険だと判断するには早いのではないか。(3)も介入をするには早いのでは。(4)は本人アセスメントに優先する理由は特にないのでは。
→(2)ではないか。(◯)

問063 【事例】インフォームド・コンセント(教育)
→本人合意を無視しているので(1)(2)は不適切。本人の話をしたいニーズを尊重した上で、SCとの連携も踏まえて心理検査にも言及する(4)ではないか。(×)

問064 【事例】糖尿病(医療保健)
→医者が明確に警告しているにも関わらず本人に問題意識がない段階では、(3)(5)は早く、(2)も話を聞くモチベーションがないだろうから、(4)ではないか。(1)で周りに働きかけるよりはまず本人では。(◯)

問065 【事例】ALS(医療)
→(4)ではないか。(◯)

問066 【事例】肺がん、緩和ケア(医療)
→各種解答割れててわからない。(?)

問067 【事例】いじめ、不登校、ひきこもり(福祉)
→(3)が多いのだが、精神医学的評価さえできていない状態では。本人が来所できないなら、訪問支援は選択肢に入るのではないか。(◯?)

問068 【事例】(教育)
→問題が生じているのが学習面に限定されており、かつ発達障害ぽさも見られないので、一番近いのは(1)ではないか。(◯)

問069 【事例】(教育)
→(4)ではないか。(◯)

問070 【事例】不登校(教育)
→(3)ではないか。(◯)

問071 【事例】非行(教育)
→(4)ではないか。(◯)

問072 【事例】(産業)
→(4)ではないか。(◯)

問073 【事例】(産業)
→(3)ではないか。(◯)

問074 【事例】認知症、虐待(福祉)
→(3)ではないか。(◯)

問075 【事例】発達障害ASD障害者雇用(産業)
→(3)ではないか。(×)

問076 【事例】WAIS-Ⅲ(産業)
→(2)ではないか。(◯)

問077 【事例】うつ病、休職・復職(産業)
→(2)と(5)ではないか。(1つ×)

前半はここまで。自己採点56/77。6割ラインはなんとか超えた。

対して話する

対話のことば」という、精神療法オープンダイアローグを元に一般的な対話のコツをまとめたパターン・ランゲージがある。

旅のことば」という、認知症を抱えてよりよく生きるためのパターン・ランゲージの普及活動をしている金子さんらが「対話のことば研究会」というユニット?名で、対話のことばを用いたイベントを定期的に開催するとのことで、9/24の第1回に参加してみた。
会場は「プロジェクト・デザイン・パターン」というパターン・ランゲージを作成したUDS株式会社が運営するLEAGUE銀座。来たのは2回目。

平日夜の2時間で、内容はチェックインと簡単なレクチャー、後半は対話のことばカードを用いたワークショップを2回やった。
同じテーブルの方々は、それぞれ想いを持ってこの場に来ていて、ワークショップを通じてその一旦が垣間見え、この人のこともっと知りたいなと思えた、のは、とてもよかったんじゃないか(最初にマウントを発動しかけてまずいと思い、軌道修正を試みたのもある)。
一期一会でさらっと流れがちな単発イベントで、いかに日常に持って帰るものを見つけるかというのは、けっこう難しい。知り合った人とSNSでつながるのも、その前提で共鳴するものがないと、ただでは起きぬみたいな感じで、風化してってしまう。
対話のことばや、対話を自分に落としていくことはとても興味があるんだけど、この研究会がやろうとしていることとつながるのかどうかについては、ちょっと疑問が残った。ビジネスに向けてのプロトタイプや、実績を積むという視点からは意味があるのかな、と思った。
パターン・ランゲージという創作物は、それ自体独立しているものではなくて、読まれ使われることで価値を発揮していくものだと思うのだけど、コンテキストに対する位置づけがとてもゆるいように思えて、そこがもうちょっと機能的にならないかと思っている。
ということで、初回のみ参加のつもりだったけど、最後に気になるアナウンスがあったので、今後の会の内容がどうなるのか次第で、またちょっと考えてみよう。(Facebookで発信されるんだろうか?)

夏の終わり、嵐がちょっと凪ぎ。

本屋をめぐり、髪を切って、始末をつけて、次に臨む。

対話のことば オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得

対話のことば オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得

人間関係トレーニング―私を育てる教育への人間学的アプローチ

人間関係トレーニング―私を育てる教育への人間学的アプローチ

生きるように働く

生きるように働く

凪のお暇 4 (A.L.C. DX)

凪のお暇 4 (A.L.C. DX)

公認心理師試験(#06)

#01#02#03#04#05のつづき。

そろそろ人生の次のステージを迎えようとしている(と勝手に思っている)にあたり、
学びというものについても整理したいと思っている。
(ここでいう「整理」というのは、自分にとって「学び」というものがどういう意味や価値を持っていて、
一方で社会的にはどのような意味で使われているのかを考えて、その重なりや重ならなさを確認し、
自分にとって優先度の高い行動を洗い出す指針にすること。)

自分の五感を使った学びや、他人の人生やその語りからの学びももちろん大切だけれど、
机の上を主なフィールドとするような学びについても、その強みと限界、自分に合ったやり方や他人のサポート方法について、見通しを持っておきたいと思う。

そのとっかかりとして、わたしが学びのプロセスの中で特に重要だと思っているのが「試験の直し」なのだ。
ある型の中に学びのエネルギーを注ぎ込むことで、その型の形がくっきりしてくるし、自分の不足しているところもよく見えてくる。
基本的には不足しているところを補強して次に進むのだけど、そうでない取扱いに価値を見出したっていいと思う。
きのう、どこぞの愉快な会合で、自己理解が大切だという話をしたのだけど、自己理解のプロセスでも「試験の直し」は重要なのではないかしら。

●ふりかえり #06

問051 認知症、改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉(アセスメント)
(1)30点満点で20点以下は痴呆の疑いがある。(2)スクリーニングが主目的で重症度評価ではない。(3)動作性検査はなく、すべて口頭で答える。(4)知識量ではなく言葉の流暢さを見るもの。(5)その通り。
→【1】と【5】ではないか。(1つ×)

問052 開発的カウンセリング(教育)
全然わかんないが、「開発的カウンセリングを実践する9つの方法」(栗原慎二/編著)の目次に「ピア・サポート」の文言があり、また、やまぐち総合教育支援センター長期研修教員調査研究課題「開発的なカウンセリングの手法を生かした人間関係づくりに関する研究」(川本卓,平成18年度)に、「ソーシャルスキル教育」「アサーション・トレーニング」が挙げられている。
→【1】【4】【5】のどれか2つではないか。(×)

問053 裁判員裁判(司法)
(1)平成21年から導入された裁判員制度では、裁判官3名と裁判員6名の計9名が参加する。(2)有罪の場合の刑の重さだけでなく、有罪か無罪かも含めて評議・評決を行う。(3)判決後であっても、評議の状況が漏らされてしまうと、例えば報復を恐れる等により、そもそもの評議において率直な意見が言えなくなってしまうおそれがあるため、判決後も守秘義務は適用される。(4)多数決となるが、被告人に不利な判決をする場合、裁判官1名以上の同意が必要。(5)裁判員制度地方裁判所の刑事事件で、かつ一定の重大な犯罪が対象となる。
→【1】と【4】ではないか。(◯)

問054 緩和ケア(医療)
(1)厚労省予算事業「人生の最終段階における医療体制整備事業」により、人生の最終段階における医療・ケアに関する患者の相談に対応できる医療・ケアチーム(医師、看護師等)の育成研修を実施している。(2)身体的苦痛だけでなく、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛の緩和を目的とする。(3)がん対策基本法17条「…がん患者の状況に応じて緩和ケアが診断の時から適切に提供されるようにすること…」、がん対策推進基本計画第2の2「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」(4)入院患者は緩和ケアチームが対応し、外来患者は緩和ケア外来が対応する。(5)緩和ケアチームのメンバーは医師、看護師、薬剤師が中心だが、施設規模や方針により異なる。
→【1】と【3】ではないか。(◯)

問055 向精神薬精神疾患
全然わかんないけど、テキストに書いてあるのを見た限り。
→【1】と【5】ではないか。(1つ×)

問056 保護観察制度(司法)
(1)更生保護法52条に特別遵守事項の変更についても規定がある。(2)保護観察所長は帰住先が更生に適当かの判断を行い、刑事施設の長の申請を受け、地方更生保護委員会が仮釈放を決定する。(3)遵守事項違反により少年院送致になったり、仮退院した者が戻されることがある。(4)一般遵守事項として、転居の際は保護観察所長への届出が必要。(5)少年院仮出所者が保護観察を受けている場合(2号観察)、良好措置として保護観察所長の申請に基づき、地方更生保護委員会が仮出所を決定する。
→【1】と【5】ではないか。(1つ×)

問057 医療法、医療制度(制度)
(1)21条の5に20人以上の患者を入院させるための施設を有するとの規定はある。(2)30条の4に規定。(3)7条に、一般病床、療養病床、精神病床のほか、感染症病床と結核病床の種別がある。(4)6条の10に医療事故の定義。(5)同じく6条の10に規定があるが、医療従事者でなく管理者。
→【2】と【4】ではないか。(1つ×)

問058 精神保健福祉法、医療制度(制度)
(1)36条2項に信書の制限はしてはいけないとある。(2)任意入院では指定医の診察は不要。(3)36条3項に、患者の隔離は指定医が認める必要ありとある。(4)特にダメと書いてない。(5)法19条の4の2や施行規則4条の2に規定はない。
→【2】と【3】ではないか。(1つ×)

事例問題は、白黒はっきりつけづらいので、基本的には振り返りは省略します。

問059 【事例】児童虐待(福祉)
児童虐待防止法6条の通告義務に該当すると考え、【1】ではないか。(×)

問060 【事例】うつ病、自殺(医療)
→公認心理士法42条2項に主治医との指示を義務づけているように、主治医がキーパーソンとなるため、【1】ではないか。(◯)

自己採点43/60。一気にやばい。

公認心理師試験(#05)

#01#02#03#04のつづき。

公認心理師試験について、北海道の追加試験が終わる前に、ネット上で言及することについて批判的な意見をSNSで見た。
私はこんな記事を書いていることもあり、その意見には疑問を持っているが、そのような批判の元になっている考え方には興味がある。
一度しかお会いしかない方で、議論する関係性はないと思って直接声かけはしないが、いつか誰かとその話ができたら面白いなと思う。

●ふりかえり #05

問041 統計、重回帰分析、重相関係数(研究)
説明変数(独立変数とも言う)が原因となる値。基準変数(目的変数、従属変数とも言う)が結果となる値。重回帰分析は、複数の説明変数を使って精度の高い予測値を算出する。その制度の高さの指標が重相関係数や決定係数。基準変数と予測値との相関係数
→【2】ではないか。(×)

問042 言語障害(言語)
(1)感覚性失語は感覚性言語中枢であるウェルニッケ野が原因。ブローカ野は運動性言語中枢。(2)ディスレクシアは読み書きの障害で、音声言語の障害ではない。(3)発達性の吃音は2歳ごろ始まることが多く、男児に多い。(4)言語学は一度勉強したいと思って札幌で本を買ってしまった。語用論と意味論には問題が見られるが、統語論の問題は見られない(意味わかっていない)。
→【3】ではないか。(×)

問043 発達に関する研究法(研究)
(1)馴化-脱馴化法は、同じ刺激を繰り返し呈示し、慣れて注視時間が短くなったタイミングで異なる刺激を呈示し、注視時間が回復するかを測定することで、異なる刺激の区別ができるかを確かめる方法。(2)トロ―ニックのステルスフェイス実験で無表情なのは母親。(3)選好注視法は、2つの刺激を同時に呈示し、どちらを注視するか計測する。
→【4】ではないか。(◯)

問044 関与しながらの観察(アセスメント)
(1)治療者が自らの影響を排除して観察することはできないとの主張は、客観性とは相反する。(3)記述自体は間違ってはいないと思うが、関与しながらの観察との関連性が見当たらない。(4)現象が何を指しているかわからないが、力動系が表出的なもののみ着目するはずがない。
→【2】ではないか。(◯)

問045 発達障害、福祉制度(制度)
→(1)療育手帳は知的障害の手帳なので、要件を満たせば取得できる。(2)発達障害の診断を元に精神障害者保健福祉手帳を取得できることもある。(4)発達障害者支援法2条1項「発達障害」の定義に、「自閉症アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害学習障害注意欠陥多動性障害」等の規定、2条2項「発達障害者」の定義に、「発達障害がある者であって…」とある。DSM-5に基づく最新の診断名は反映されていないが、ADHDも含まれている。
→【3】ではないか。(◯)

問046 スーパービジョン(生涯学習
迷った。(1)一般的には継続的に行うものだと思うが、単発の指導がスーパービジョンにならないかというと、よくわからない。(2)スーパービジョンは教育分析と異なり、個人的な問題を取り扱うことは基本的にしない。(3)ライブ・スーパービジョンとは、バイザーが面接に同席し、その場で指導を行うこと。(4)パラレルプロセス(並行プロセス)とは、バイザーとバイジー、クライエントとカウンセラーの関係が互いに影響すること。行き詰まりについても然り。
→【2】ではないかと思うが、【1】も気になる。(◯?)

問047 機密保持(職責)
(1)教師に知られたくない相談内容も想定されるので、同意は必要。(2)守秘義務があるのは前提で、同意が不要な理由にはならない。(3)環境調整の一環としてクライエントの上司に働きかけたり、コンサルテーションを行うことは想定できる。(4)正当な理由が必要なのは当然のこと。
→【2】ではないか。(◯)

問048 病的窃盗(精神疾患
クレプトマニア。実行時に緊張感を伴い、成功時に開放・満足感を得る。利得を得るためではない。
→【4】ではないか。(×)

問049 ヒューマンエラー(認知)
(1)ラプスというエラー。(2)スリップという典型的なエラー。(3)組織内コミュニケーションが原因のエラー。(4)判断ミスというエラー。
→全部該当するように思うが、個人内要因に限定しているのだとすれば【3】ではないか。(◯?)

問050 認知行動療法(支援)
(1)機能分析は、アセスメント段階で行うもの。(3)トークン・エコノミー法は、レスポンデントではなくオペラント条件付けの代理強化子としてトークンを使う。(5)行動実験とは、不合理な信念の妥当性を現実場面で実験するもの。
→【2】【4】ではないか。(◯)

自己採点40/50。このペースなら行けるか。