(285)遠くに旅立つ人に向け

一緒に入社して、はじめのうちは頻繁に飲み会をして、しばらくしてからも時々勉強会をしたり、何かあったら一斉メールをしていたような間柄、要は同期の人が、退職したり遠くに行ったりすることになった。久しぶりに顔を合わせて集まって、みんなで寄せ書きを書いて渡す。本人から話を聞く。集合写真を撮る。仕事以外の生活で大切にしたいことがあって、仕事の何かを諦める必要があった的な印象を受けたのだけど、仮に残った我々に気を使ってくれていたのだとしたら、今の職場で嫌なことがあったり、新しい仕事がとてもやりたいのかもしれない。中の働き方を改革するとか聞こえのいいことを言っている一方で、こんなふうにぽろぽろと若手は辞めていっている。別に離職をゼロにするのが目的ではないと思うのだけど、対策と言っているものは本当に対策になっているのだろうかと、誰かそれを気にしている人はいるのだろうかと思ったりもする。

それとは別の理由で、一緒に働いていた人がひとりふたり、別のところに行くことになる。お金やモノに気持ちを載せるのも大事だけど、やはり言葉で何かを伝えるのが一番なのではないかと思う。残り時間は少ないけど、間に合うかな。