(41)サンキュー・コバエ

家にコバエが発生している。
原因は明確で、私が生ゴミを放置してしまっているからだ。
逆にいえば、生ゴミが出るほど、家でご飯を食べているということでもある。

私の価値観は、コバエの発生をよいと思っていない。嫌だなと思っている。
だけど、たぶんある種の人から見るとその反応はマイルドすぎて、平気なように見えるかもしれない。反応がにぶい、だらしないように見えるかもしれない。
「見えるかもしれない」と書いたが、それはそれで事実なんだ。主観的に0.001あることは、世間的には0ということ。そういうふうにできている。

自分としては、見えるものがすべてだと思い込む癖を改めたいと思っている。自分が感知できるものは、自分のアンテナに依存するし、対人場面では相手の自分に対する信頼感にも大きく依存することを、忘れてはいけない。

コバエの話をしていたんだ。
コバエは、夏の訪れとともに現れ、私の生活習慣の、問題点を浮き彫りにしてくれる。
とても迅速で、感情面を喚起する、すぐれたフィードバックなのだ。
私はコバエの発生を抑えようと躍起になって、生ゴミをこまめに処分しようとする。
そこで一旦やり方を覚えて習慣化してしまえば、秋になって、コバエ・フィードバックの力を借りなくても、自力で生ゴミ処分の行為を維持できるかもしれない。