(206)行き来

寝て起きた朝は元気だし、夜になるとぐったりしている。

冬は寒いし夏は暑い。

うちにある電気ストーブが首を振ると、反射する光もそれに合わせて様相が変わる。

 

 世の中は、人は、変化する。

かと思えば、ずっと前の暗い感情が、いつまでも残っていることがある。

問いのデザイン」という本を読んでいるのだが、いろいろな問題の背景に、人の認識や、人同士の関係性が固定してしまっていることが挙げられていた。

ずっと仲良くしていたかったのに、疎遠になってしまうこともある。

個が変わると、関係が変わる。全体も変わる。あるいは、変わらない。

変化したり、しなかったりを、どうデザインするか。

 

目の前で起きていることのすべてに意識を払うことなんかできないけれど、それでも目の前のことの一部で人の認識はあっという間に埋まってしまう。

ちょっと広い視野をもつことや、ちょっと先のことを考えるためには、ちょっとした工夫が必要だったりする。

いくつかのレパートリーをストックしておいて、状況に応じて使い分けること。えんぴつと消しゴムを使い分けながら絵を描くように。

慣れている日常の文脈から、時々抜け出して、特別な時間空間に身を置く。それはそんな長くは続かなくて、やがてまた日常に戻ってくること。

新たな習慣を身に着けて、持続しようとして、何度か繰り返し、なじませていくこと。抜けないように気を付けて、保ち続ける。あるいは、何かをしないように意識して、だんだんと自然にできるようになっていく。もしくは、だんだんとつらくなってきて、どうしようかと思ったりする。