(223)血の流し方

何度でも言うが、人に相談するってのは難しい。自分ひとりでどうにもならないことや、助けを借りた方が先に進みやすいと思って相談するのだが、腹を開いて出てきたものをどう取り扱うか、ぎょっとして、アレルギー反応が出てしまうこともある。そうだとわかっていても痛すぎて否認してしまうことと、本当に違うなと思うことは主観的には区別しづらい。他人がどう思うかを考えながら自分の行動の選択肢を吟味するけれど、他人の考えることや取る行動、もっと言ってしまえば未来で何が起こるかは究極わからない。それでもある種の法則に則って未来は生じているし、自分の行動が、少なくとも自分の半径3メートルの範囲の未来をましなものにすることも、台無しにすることもしうるだろうというくらいの自己効力感はある。もしかすると、対面の相談では、精神的な血が出て動揺しているときに、痛みに耐えるサポートを得られやすいのかもしれない。支援者は、画面の向こうで血を流しているかもしれない来談者にいかにして気づくか、いかにしてケアをするかが、オンライン支援を左右するポイントなのかもしれない。