(317)ブロフレクション*

よく知らないけど、なんか牛って胃が何個もあって、草みたいなものをはじめは雑に飲み込んで、回数を重ねて消化していく、みたいな話を聞いたことがある。それが本当かどうかを確かめるほど牛と親しくはないが、牛丼はよく食べるし牛乳はたまに飲む。

それと同じように(?)、自分が経験したことを経験しっぱなしにするのではなく、近い過去に経験したことを振り返ることを、習慣にしたいと思っている。新しい時間、2回めの時間を使って、同じ対象をもう一度経験する。同じ対象であっても2つの経験は同じではなく、続きだったり、補填だったり、とにかく2回目があることでよいことが起きる。すべての経験を振り返ることにすると私は時間が足りないし、そうしたいとも思わないけど、時には何度でも振り返りたい経験もある。でもそこまでいくと、もはや感情の再体験が主目的になっているような気がする。私が言っている振り返りというのは、それとはちょっと趣旨が違っていて、1度では消化できない経験を、2回だとそれなりに消化できるということ。例えば、必要な学びを引き出すことができる。失敗すると、同じ経験をただなぞるだけになってしまって、2回目の時間を費やした意味がなかったということもある。振り返りのやり方がまずかったのかもしれないし、自分にとってその経験はもう出涸らしだったのかもしれない。

ブログを書くこと、日記を書くこと、経験を誰かに話すこと、業務日誌を書くこと、終礼をすること。それらは私にとって「2回目」の意味がある。他の人でブログを書いている人は、書かれた記事が読み手にとってどのような体験になるかを出発点にしている人もいるだろう。形式的には同じブログであっても、そういうものと私のブログとは存在のあり方が根本的に異なっている。他者にとって私の経験は、異物でしかありえない。そこで満足しているわけではないのだけど、そこを手放して一足飛びに読み手に価値のあるものを提供できる気もしないし、いまはまだ両立できる気もしない。「いまはまだ」なんて言ってるとあっという間に年取って死んじゃう気もするので、やりたいんだったらさっさとやったらいいよね。