(261)花と電気と塩

昨晩降った雨のもたらした水気が、まさにこれから開こうとしている花の香りを巻き込んで、一気に町じゅうに放たれる。朝の光に、そんな花風ぶとんに包まれて、ほんのちょっと夢をみる。

びっくりするくらい肺の中に吸い込んだ空気が冷たくて、突然冬のど真ん中にいることを実感する。季節の訪れは、いつだって個人差がある。

(156)躍る子 - LoS (Locus of Scent *2)

 

ピリピリするようなやりとりが散発的に発生する。なにか土壌があるのかもしれない。そういうものを通じて次に進めることができるなら別にいいじゃないかと思っているのは、私だけかもしれない。

コンピューターをつなげて、都市と地方を接続する。これから戻ってくる人と、これから旅立つ人たち。本来は入れ違いになるような人たちが、電子の力で一瞬交わる。そのお手伝いをさせてもらったのだけど、マイクとスピーカーの設定がうまく変更できなくて、ハウリングが出てしまう。残念。

数十メガバイトのエクセルを眺めながら、数字をひとつずつ打ち込んでいく。ジグソーパズルを解くように、少しずつ形が見えてくる。この時間は生産性の低いものなのだろうか。自己満足と言われたら、あまり否定できない。

夜更けにわざわざ向こうから声をかけにきてくれる人がいる。彼のそういう踏みこみは、あやうさを感じることがしばしばあるけれど、彼の強みと言えば強みに違いない。みんなが自分の強みを活かせるといいよなと、ぼんやりと思う。生産性を上げること。価値を最大化すること。拝価教。

連想で全然話は変わるが、瀬野反人さんの公式サイトは、篠湯から、塩と気圧になって、今は​凹鉄鉱という名前になっていた(なんて読むんだろう)。霧中進行の続きが気になるけど、商業誌デビューで複数連載抱えていると、なかなかそっちに手間かけるのは難しいのだろうか。シュールな漫画描きの中で、この人の作品は言葉選びがほんとすき。コミティアとかで薄い本出さないかな。とりあえずオンラインで買えるやつ探してみよう。「おとぎのファルス」「ふぞろいユモレスク」の九目さん、「空が灰色だから」「ちーちゃんはちょっと足りない」の阿部共実さんの言葉選びも蕩けるのだけど、瀬野さんの漫画は絵の透明感(粗さも含めて)もすてきだし、設定にほのかに漂う発達クラスタの香りがたまらないのだ。(こんなこと、前に書いたような気がしたけど、検索しても見つからなかった。そんなことを書いていると、ブギーポップのアニメを思い出した。)